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第2章 夏帆

 俺のこと嫌だったら、今こうして飲んでないよな?
しかも、もう日付変わってんだぞ。
嫌な男とそんなに長くはいられないよね?
これはいわゆる結婚相談所を介してのお見合いなわけだ。
初デートだとしてもさ、俺は君の結婚相手の候補になるのか、それとも候補から外れているのかがイマイチ分かりづらいと思った矢先……


 「あの……もしもですよ。
この年齢から子供が欲しいと願うのは聡君的にはどう思いますか?」

 あの……さっき候補にって言いましたが、聞き逃してますか?
それともハッキリと濁さずに聞きたい欲しがりやさんなんですか?
どっちでもいいです。
あなたはかなり面倒臭いけど、放っておけない可愛さがある。
なんていうか……訴えかける瞳は大手金融会社のCMに出ていたチワワのようで、『どうする?聡君』と次の判断を迷わせるんですよ。
でもその自然体の可愛さが俺を翻弄してるのに気づいてないんでしょうね!

 あなたが天然ちゃんなのは、出会った時から気付いてますよ。
一歩間違えたら『変な女』で終わる可能性だって大いに秘めてるんですからね、あなたは!!
もしかすると、男を惑わす天然悪女さんなのかもしれませんね?

 有り得ます。
夏帆さん、あなたなら十分有り得ます。
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