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第2章 夏帆
「欲しいもの、叶えたいもの、夢や希望があるって一生懸命生きてる証拠なんだと思います。
夏帆ちゃんはそれに向かって生きてる。
夢や希望があるって良い事なんじゃないかな?」
「そうですよね。聡君と居ると気持ちが楽になります。
正直、婚活ってキツイって思ったんです。
贅沢な事を言える身分ではないのも重々承知してますが、譲れない条件や希望ってあるじゃないですか。
私の場合、もう一度結婚出来るのであれば、子供が欲しいという希望は捨てられないんです。
それを受け入れてくれない方や合わない方は断るしかありません。
逆に私を受け入れられない方も居ます。
相談所を通せば、断る事が簡単に出来てしまう分、傷ついたり、縁から遠ざかってしまってるんじゃないかって思ってしまうんです」
「俺も婚活はキツイと思います。
縁がなければ断る選択しかない。
断られる事もあります。
断っても断られても傷つきますよね。
でも結婚したければ堪えるしかない。
心が歪な形になりそうで怖くなったりします。
俺には息子が居ますから、その存在を分かってくれる方じゃないとお話になりません。
それにお相手が子供を望んでるならば、その希望も大事に考えます。
自分の子供はよろしくお願いします、あなたとの子供は考えてませんなんて図々しい事も思いません。
夏帆ちゃんと一緒に婚活から卒業出来たらと思います」
「そうですね。早く卒業したいです」