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第3章 これは恋

 「夏帆ちゃんのてるてる坊主のお陰かな?
お天気にも恵まれたし」

 「わ、わたしの念力ですよ」

 「念力だったんだ?」

 俺がクスッと笑うと、照れ隠しするかのように夏帆ちゃんも笑う。

 「海までドライブするならサザンの気分でGO」

 「海って言えばサザンだよね」
 
 「はい。海の必需品です」

 「ごめん。今日はFMで我慢してね。次回はサザン仕入れておくから」

 「大丈夫です。私の頭の中のBGMで鳴り響いてます」

 「あるあるある!!俺も頭の中にBGMやテーマソングが流れてたりするもん」

 「でしょでしょでしょ!」

 共感します。
因みに今俺の頭の中には島唄が流れてます。
なんて穏やかなんでしょうね。

 「うんうん。ところで夏帆ちゃんはお菓子会社の事務員さんでしたよね?」

 「はい。でも繁盛期は上から下まで真っ白な白衣着て、お菓子の箱入れを手伝わされるんですよ。
その格好でマスクまでするもんだから、白忍者みたいなんです」

 「白忍者ですか」

 「事務員から白忍者に変わり身の術と言いたいですが、更衣室で地味に着替えてます」

 「忍術つかえたらいいのにね?」

 「ですよね。
私、小さい頃は魔法使いに憧れていて、いつか魔界からお迎えがくるから、ホウキで空くらい飛べるようになっておこうと、毎日ホウキに跨ってたんですよ。
でも、一向に飛べるようになりません。
所詮、私は普通の人間なんだとその時悟りました」

 「可愛い時代ですね」

 さてはあの漫画でしょうか?あなたをそこまで駆り立てたのは?
やたらセクシーシーンもある、あの魔女っ子の。
俺は違う意味で釘付けになりましたけどね(笑)

 夏帆ちゃんは子供の頃から天然だったんですね!

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