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第3章 これは恋

 海に向かう車の中で、休みの日は何をしてるという話題になると、夏帆ちゃんは予定がない限りひたすら寝るというのは想定内だった。
趣味は映画観賞の他は読書らしい。
好きな作家の名前を言われても、濁すしかないくらい俺はそっち系興味なし。

 俺自身は釣りやキャンプ、スキーなどに若い頃はハマっていた事を話すと、夏帆ちゃんは「健康的で清々しいですね」なんて言うから、夏帆ちゃんは何にハマっていたのか聞くと、「私、こう見えてもジュリアナギャルだったんですぅ〜」と答えた時にはぶっ飛んだ。

 「ジュリアナギャルって、ワンレンボディコンの真っ赤な口紅つけて扇子を振り回して踊る人だよね?」

 「そうですよ。若い頃はそれくらいの勢いあったんですがね、今は落ち着いたというか……」

 意外です……失礼は重々承知ですが、あなたが時代の波に乗っていたなんて、本当に意外なんですよ!!

 「麗子っていう親友が居るんですが、今は同級生と結婚して落ち着いちゃってるんですけどね……二人で会うと、あの頃が懐かしいねーなんて昔話に花が咲いちゃったりしてね。
あっ、その麗子は世界一不味いカレーを作れるんですよ」

 「あの……実は昨日の夕飯がカレーだったんですよね」

 「うわっ!!まさに偶然にもナイスなタイミングな話なわけですか?」

 「ハァ……まさにナイスなタイミングなのかも?世界一不味いカレーって……どんなカレーですか?」

 香代子のルウが溶けてないせっかちカレーより上をいくカレーでなんですよね?
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