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第3章 これは恋
「この話は私の鉄板ネタなんですけどね」
「そう言われると益々気になります」
「ウフフ……」
なんだその自信有りげな不気味な笑いは!!
「麗子は外見から見てもどうしょもないヤンキーだったわけですよ」
「ハァ……」
そんな方があなたのお友達ですか?
「とにかく、校則違反のパーマはかけてきて、担任に目をつけられ、せっかくかけたパーマを指で伸ばされたんです。
当然髪をボロボロにされます。
その結果、枝毛を栽培したような頭にもなります。
なのにパーマをかける事を辞められない、なかなか根性のある女で…」
それ、根性なんですか?
「もう、髪の毛が可哀想過ぎて、見かねて麗子に話し掛けたんです。
『このまんまだと落ち葉を掃くホウキ頭になるぞ』って。
そしたらね、『分かってるんだけどさ〜』なんて言うから、分かっていて辞められない麗子が気になってしまったのが始まりなのかもしれません。
毎日生活指導の先生に呼び出されて、廊下でこてんぱんにやられてる麗子に陰ながら同情しました」
この場合、夏帆ちゃんは優しいというべきですか?
「そうなんだ」
「毎日同情すると友情って芽生えるんですよ!」
「そこですか!」
呆気に取られてつい声を張り上げた俺に「そこです」と冷静に答える夏帆ちゃん。