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第3章 これは恋

 「私、こう見えても、口の肥えた女なんです。
私の父は和食料理屋の板長です。
それから母も調理師免許をもつ女将ですよ。
小さな頃から不味いものは母の手料理からは有り得ないというほど、厳選したものを食べて育った食いしん坊です」

 食いしん坊……了解です。
あなたのルーツはそこですか!


 「そうなんですね」

 「はい。ですから不味いものと分かっていて食べるというのは、まさに私にとっては戦地に送り出されるほど、腹を据えた決断なわけです」

 香代子のカレーを食べてきた俺にとって、そこまで言ってしまうのは大袈裟です。

 「で、麗子がニコニコ顔で私の前に出したカレーなんですが……やはり不気味な匂いと色なわけです。
もう見た目で不味さが漂ってきました。
毒見役をしていた武士の気持ちが一瞬にして理解し、尊いお役目だったのだと知らしめるほど」


 どんなカレーなんだ!!
前置き長すぎ!!
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