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第3章 これは恋

 「夏帆ちゃんは、何だかんだ言っても友達思いなわけね」

 「バツイチの私に心配されても説得力の欠片もないでしょうが、女に生まれたのなら、人並みの幸せというんですか?
愛する人に嫁ぎ、あの世界一不味いカレーをキッチンで作ったとしても、世話を焼けるような男性と幸せな家庭を作って欲しいじゃないですか」

 「不味いカレーは付き纏うんですね」

 「料理というものは、食べさせたい人が居なきゃ進歩なんてしません。
うちの母のように料理が仕事ならばまだしも、女を仕立てるのは男次第なんです。
その点、ハルは立派な旦那様です。
麗子をちゃんとした女に導き、私が嫉妬してしまうくらいの家庭を築きました。
私はそんなハルに感謝してるんですよ。
ハルは確かにイケメンではないです。
野菜に例えるならジャガイモです。
でも、ジャガイモって美味しいじゃないですか?
私が料理をする時は拘りたい食材の一つです。
サラダにもなるし、煮物にもなるし、コロッケにもなる。
茹でて塩をかけただけでも美味しいんですよ。
不味いカレーにもジャガイモは欠かせません!
素朴な味でも飽きさせない。
ハルはそんな男です。
みんなが忘れてしまった素朴な部分を沢山持ってるんです。
その素朴さが、麗子を可愛い女に仕上げるんです。
残念ながら、親友ではそこまで出来ないんですよ。
やはり、麗子みたいなヤサグレ女をキチンとした女に目覚めさせるのは、ちゃんとした男なわけなんです!」


 あなたは確かに毒舌で、親友の事を鉄板ネタにし、茶化して笑いをとる女かもしれません。
でも、あなたは悪意などなく、本当に親友を大切に思う人なんですね。
それはちゃんと伝わります。
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