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第4章 時には猛烈に

 車に戻り、また海を目指して走り出す。
海岸線を走ると、助手席側に光を帯びた海が見えてきた。
「うわー海だ!!きれい!!」とはしゃぐ夏帆ちゃんを横目で見て、「展望台がある方まで行くよ」と声を掛けた。

 目的地に到着し、車から降りると潮の香りに包まれた。
少し強めの風が吹き、夏帆ちゃんの長い髪を揺らす。
僅かに漂う夏帆ちゃんのシャンプーの香り。

 「……手、繋ごうか」

 勇気を出して言ってみた。
照れた顔の夏帆ちゃんが「はい」と言いながら手を差し伸べる。
ガシッと掴んだ手の平は柔らかい感触が伝わった。
手を繋ぐだけでドキっとするなんて、中学生並みの純情じゃね?

 「き、緊張するね、でも夏帆ちゃんが迷子にならないように」

 「あはは。迷子になったら帰れませんよ〜」
 
 「置いて帰らないよ」

 ギュッと手を握り展望台を上っていく。

 夏帆ちゃんの髪やスカートのひだが海風に揺れている。

 唆るんだな……

 あなたに触れたいって

 今、猛烈にキスがしたい

 そんなチャンスを伺ってしまうんだ……
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