この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スパイス
第4章 時には猛烈に
背後から人の気配を感じて、抱きしめていた夏帆ちゃんをそっと離した。でもしっかりと手は繋いだまま。
そして、目の前の海を眺めながら、想いを告げた。
「俺はちゃんと将来を考えたお付き合いを考えてます。
恋愛の先に結婚をって事です。
そういう気持ちで付き合って下さい」
「私で良ければお願いします」
「OKと考えていいんだよね?」
「はい」
「嬉しいな……。海に向かってヤッターって叫びたいくらい」
「人が見てますよ」
「やりませんよ。でもそれくらい嬉しいって事です」
「私も」
「出会って日も浅いのに夏帆ちゃんに凄く惹かれました。
自分の気持ちを隠さずに付き合いたくて……急ぎ足になってしまいましたけど大丈夫かな?」
「聡君と未来を考えてのお付き合い……嬉しいです」
もう一度キスしたくなった。
今度はフレンチキスで。
胸がキュンとするような恋のシチュエーションにご無沙汰だったから、余計俺をドキドキさせた。
人目があるから今は我慢。
その分、ママと一緒に居るだけで幸せなんだと改めて思ったり、手を繋いだだけで堅く結ばれたような気になったりして、どんどん自分をワクワクさせるんだ。
星空、恋は自分を幸せな気持ちにする魔法なのかもしれないな。