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第4章 時には猛烈に
ずっと手を繋いでいたくて、ブラブラ海辺を並んで散歩しながら、「俺の事好き?」なんて聞いてみたり、「好きじゃなきゃこうしてないじゃないですか〜」と照れながら夏帆ちゃんが答えたり……
いい歳した大人なのに、久しぶりに出会った恋は純粋な気持ちを二人に取り戻させてくれたんだ。
「じゃあ、俺のどこが好き?」
「優しくて安心して一緒にいれるとこかな」
「俺、優しくないよ」
「優しいよ。ご飯ご馳走してくれたり、海に連れてきてくれたり…あっ、そういう気遣いが嬉しいって事ですよ」
「それは優しいとかじゃなく当たり前でしょ?」
「そうでもないよ。結婚相談所で紹介された方とお食事をした事は何度かありますけど、割り勘って方居ましたもの」
「えっ、そんな奴いるの?」
「居ますよ。そういう気遣いすら出来ない人。
私はご飯をご馳走して欲しいからデートするわけではありません。
真面目に結婚相手を探しているからこそなんです」
「じゃあさ、夏帆ちゃんの理想の結婚相手ってどんな人なのかな?」