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第6章 甘い夜の温もり

 打った頭を掌で撫でて、泣きべそ顔の夏帆。
可哀想なんだけど、笑ってしまった。

 「夏帆……大丈夫?」

 俺も夏帆の頭まで手を伸ばし、打った場所を一緒に撫でて、夏帆の顔が見える位置まで頭を上げた。
そして腕枕をした。


 「大丈夫じゃな〜い。痛い」

 「よしよし」

 色っぽい事してんのにやらかして笑いを取る女。
計算された可愛さでなく、それが素の夏帆。

 「痛いの治った?」

 「まだ痛いけど……」

 俺達は顔を見合わせて笑った。

 「夏帆のそういうとこ好きよ。
見ていて飽きない。
どんどん惹かれていくよ。不思議だね」

 「聡君はマニアなのかもよ?」

 「そうなのか。俺、マニアだったのか?」

 「私はマニアには堪らない魅力があるから〜」

 「それ、自分で言う?」

 そういうとこ天然っうか、アホっぽいっうか……俺が居ないとダメでしょ?って思わせるというか……仰る通りマニアなのかもな!

 「言っちゃうの〜」

 そう言って恥ずかしそうに笑うとこ……照れ屋の癖にさ、自ら汚れ役しちゃうとこ……堪らなく可愛いと思う。
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