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第5章 好きな人は……

軽い気持ちではなくて真剣だからこそ、緩んでいた顔を引きしめて青木くんと向き合う。


その返事があっさりと返ってくると思いきや、眉を寄せて首を傾げられた。


「彼女……？穂並さんから聞いてねーの？」


「何も知らないんだけど……」


どうして社外に彼氏がいる穂並さんが出てくるんだろう……。


何か関係があるんじゃないかと無駄に考えを巡らせてしまう。


そして青木くんが再び口を開くまで受験後の合否を知る前に似たような緊張が走る。


「小春はオレをなんだと思っているんだよ」


「そう言われても……。穂並さんから聞いた情報しか分からないし、社内の人間関係に疎いから……」


「普通、彼女がいたらそっちの方にいくだろ」


「そう…だよね……。青木くんはいい人だよね……！モテるからって恋愛コラムに書いてある浮気男とは違うよね。二股、三股掛けるように見えないもん」