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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
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冷静でいる先輩が宥めようとしても青木くんの怒りは治まらなかった。
大きな声を出していたから他の課の人たちもドアの方からこちらを覗いてきたり、周囲に人が集まってきた。
ほんの些細なことなのにこんなに目立ってしまうなんて……。
その原因になってしまった私の方が恥ずかしくなる。
「祐……、そんなこと…言わなくてもいいじゃん……。今まで仲が良かったのに……、先輩の冗談だって聞き流せないの……?」
一方、土嶋さんは青木くんに怒られて悲しかったのか涙を流し始めた。
ズッと鼻をすすり、目元を擦っている土嶋さんに先輩はデスクの上に置いあったティッシュボックスを渡していた。
「おいおい……。青木、悪かったから一旦落ち着けって……。
そんな大きい声出さなくても分かったから。土嶋と周りのことも考えろよな……」
「申し訳ありません。……つい、聞いていられなかったもので」
青木くんは先輩に頭を下げてから、周囲に向かって謝っていた。
悪いのはさっさと職場に戻らなかった私で、青木くんは何も悪くないのに……。
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