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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……
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再びニヤリと笑った穂並さんは椅子から立ち上がり、他の仕事に取り掛かるためにどこかへ行ってしまった。
何のことなのか分からないけど、仕事をしている時に青木くんと話をしていたのかな……。
でも昨日の穂並さんは忙しそうだったから他人の恋愛のことを話す時間なんてなかったと思うけど……。
近くのデスクに座っている人がいない中、晴れない心から気を逸らそうと意識して仕事に取り組む。
キリのいいところまで進めて、手を止めると思い浮かぶのは青木くんのこと。
ダメだ。じっとしていると不安なことを考えてしまう……。
とりあえず頭を冷やそうと思い、女子トイレへ行くついでに化粧を少し直してこようと思った。
うちの会社の女子トイレの洗面台は隣に誰かが並んでも狭くなくて、鏡も大きいから化粧直しをするのにはもってこいの場所だった。
ポーチを持ってそこへ向かうと、先に化粧を直していた人がいて鏡をじっと見ていた。
でも誰かが使用しているのは珍しくないから日常の光景だ。
何も気にせず隣に立って洗面台の上に置いたポーチを開けた時、見られた気がして私も視線をそちらへ向けると会いたくなかった人がいてヒヤリとする。
「……白米さん」
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