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永遠の愛を奪って
第11章 ひとりにしないで
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窓の外を見ながら話していた土嶋さんは私にゆっくりと近づいてくる。
その時に髪がサラリと揺れて清々しさもある甘くていい香りがした。
花の香りに似ているけど今は心地よいものとは思えなかった。
「さっきも言いました。……わたしから祐を取らないでください。お願いします」
「…………」
何も言えなくなった私を前に、土嶋さんは頭を下げてから去って行った。
誰も歩いていないから階段を下りていく足音が響き渡る。
ひとりになると土嶋さんに言われたことで頭の中がいっぱいになった。
祐のことも気になるけど、穂並さんが話していたのも驚いた。
私の味方をしてくれていると思ったのに、土嶋さんに私と祐とのことを話していたなんて……。
同僚がいない時を見計らって話をしているし、他の人に話している様子なんて見たことがなかったのに……。
一体、誰を信じたらいいんだろう……。
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