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永遠の愛を奪って
第11章 ひとりにしないで
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目の前で起きていることの何が嘘で本当なのか分からなくなってしまう……。
とぼとぼと階段を下りて行き、とりあえず穂並さんに会って話を聞きたくなったからデスクの方へ向かう。
すると、照明が半分消えていて同僚の皆は帰ったのか誰もいなかった。
「おっ、はくまいじゃん。おつかれー」
声を掛けられて後ろを振り向くと、いつも私のことをからかってくる先輩が書類を持ってやって来た。
飲みに行くのを誘われた時に騒ぎにしてしまってから会うのが気まずくなっていたけど、先輩は何事もなかったような顔をして話し掛けてくる。
「お疲れ様です。あの……、穂並さんは……」
「穂並はさっき帰ったけど。青木と土嶋も定時になったらすぐに帰ったなー」
「そう…なんですか……」
「はくまいは最近元気がない時が多いな。……この前は無理矢理誘って悪かったな。元気づけようとしただけだから気にするなよ」
「はい。ありがとうございます。先輩」
「いつもおれの苗字すら呼んでくれないよなー。忘れたか?」
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