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永遠の愛を奪って
第11章 ひとりにしないで
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「いえ、忘れてません。……椿 優(ツバキ スグル)さん」
面倒くさいからわざとフルネームで読んでやった。
“椿”という文字があまり好きではないから苗字で呼びたくなかった。
なぜなら中学時代の部活で参加した生け花の大会で、私の生けた椿が傾いていたせいで賞を逃してしまった痛い思い出があるからだ。
個人ならまだしも、団体での競技だったから同じ部員の人に責められたこともあり、強く印象に残っている。
「おっ。フルネームで覚えていたなんて、はくまいは可愛いな~」
椿さんはニヤリと笑いながら私の頭を雑に撫でてくる。
「あー、もう。ぐしゃぐしゃしないでくださいよ」
「後は帰るだけなんだからいいだろ~。それともこれからデートでもあるのかよ」
「……今日はないです。家に帰るだけですけど、女は髪が命なんです!」
「は……?おまえ、今なんて言った?」
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