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永遠の愛を奪って
第11章 ひとりにしないで
私より先に祐がいて待っていてくれた。
微笑んで手を振ってくれているし、一見怒っている様子はない。
そこまで鈍感には見えないけれど、キスを避けたことに気づいてないのかな……。
「祐もお疲れさま……」
「ありがとな。それで、いいお店は見つかった?」
「お店……?あっ……!」
すっかり忘れていた……。
給湯室で土嶋さんに誘惑されていた光景と仕事のことで頭の中がいっぱいになっていて調べていなかった。
適当に誤魔化そうと思ってもこの辺の飲食店に詳しいわけではないからいい案さえ出てこない。
「じゃあ、ファミレスでいいかな。なんでもあるし」
「そうだね。今日はそこにしよう」
「腹減ったし、行くか」
「うん」
向かう場所を決めてから歩き出そうとした時、早いペースの足音がこちらに近づいてくる。
そのまま過ぎ去って行くのかと思って手を繋ごうとした時、祐が誰かに腕を引っ張られて足を止めた。