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永遠の愛を奪って
第15章 明るい未来への一歩

「どうしてですか?」
「あれから何も解決してないんでしょ」
机にドサッと置かれたのは仕事で使うデータが印刷されたものだった。
いつも椿さんに届けていた書類でははない。
事情を話してから、穂並さんは私に椿さんに書類を届けることを頼まなくなった。
同じフロアにいても廊下に出るタイミングが合わなければ祐と会うことはあまりない。
たまに近くを歩いていることはあっても、お互いに話し掛けないでいた。
「あまりズルズルいくと本当に別れちゃうよ?仕事と恋愛の問題は先延ばしにしても良くならないから」
「それはそうですけど、なんて話をしたらいいのか分かりませんし……。また喧嘩して話し合いにならなかったら……」
あそこまで言われたんだから次はもうない気がする……。
不安で信頼が揺げば崩れていくばかりだから……。
「じゃあ、こうしましょう。
仕事が終わった後に青木を連れてくるから、これからどうするか話してみたら?
間にあたしが入るし、ハッキリするまで逃がさないことを約束するわ。
……それとも葉月ちゃんを連れてきて何か言ってみる?」

