この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater50.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永遠の愛を奪って
第17章 愛し合う内緒の日々
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
もう午後八時半を過ぎている。
同じ会社で働いているけど、祐の立場は私より上で背負っている物も大きいから大変なんだろう。
頑張っているだから寂しいと言って足を引っ張ってはいられない。
家に帰ったのか聞きたくてメッセージを送りたかったけど、そう思うと送信ボタンを押すことはできなかった。
そんな時、自宅の電話が鳴って母が受話器を取った。
「小春ー。お婆ちゃんから電話よ」
「えっ?なんで私なの?お婆ちゃんに用事ないし。お母さんじゃないの?」
「ええ。小春に用事があるから出せって」
今は話す気にもなれないのに一体何の用なんだ……。
仕事で疲れた重たい体を起こして立ち上がり、電話があるところへ向かって受話器を耳に当てる。
「なーに、お婆ちゃん」
『今日の小春は機嫌が悪いねぇ。また何かあったのかい?』
「ないよ」
『あったでしょ~。ばあちゃんは知ってるんだからね』
「ないって」
『名前なんだっけ……?耳が遠いの。何木くん……?』
![](/image/skin/separater50.gif)
![](/image/skin/separater50.gif)