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永遠の愛を奪って
第20章 小春の望むこと
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「祐!?おかえり……。どのくらいお金があるかちょっと調べてただけだから」
考えすぎていたせいで声を掛けられるまで祐が帰ってきたことに気づかなかった。
「オレが小春の分の生活費もばーちゃんに渡してるから心配するなって。転勤したら給料も上がるみたいだし」
いつの間にお婆ちゃんに生活費なんて渡していたんだろう。
私なんか社会人になったというのにお婆ちゃんに甘えてばかりで気が利いたこともできていなかった。
祐のことが子供っぽく見える時もあったけど、きちんと独立していて同じ状況に立っても私より大人に見える。
「ふーん。異動すると給料が上がるんだ……」
「うちの会社はちょっと上がるっぽいぞ。引っ越し手当も出るとか。ブラックな会社じゃなくてよかったよなー」
お局様に尻に敷かれている上司のせいで異動させられる羽目になった私にとってはブラックな会社だ。
通帳を閉まってから祐が脱いだジャケットを受け取ってハンガーにかけるとニコニコした顔をして私を抱きしめてくる。
啄むようなキスをされてから畳んである布団の上に体を倒されて身動きを封じられた。
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