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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ



噛み砕いたポテトチップスを飲み込んでから、隠している袋の中から時計を取り出そうと思って立ち上がった。


お菓子も食べ終えたわけだし、もうそろそろ話せるようなタイミングがやってくるはず。


こういう話はなるべく早い方がいい。だから思い切ってプロポーズができるように、婚約指輪代わりに買った高価な時計を自分の背後に忍ばせておこうと思った。



「退職願を出すことだよ。小春のところのお局様が提出したって言ってたから……」


思わぬ形で知られてしまった退職の件。


じゃれているところでこの重たい話を持ち掛けてくるということは話を聞いてから気になっていたんだろう。


大事なことを聞いてもらえて嬉しいけど、今は結婚の話を持ち出そうと思っていたところだったからまたこの話から遠ざかってしまうようで少し虚しくなる。


袋の中に隠していた小さな紙袋を取り出す手が止まったけど、この話もしないといけないことだったからちょうど良かった。



「祐と同じ来月から転勤しろって無理を言われていたから。断るなら早い方が代わりに異動する人も見つかるだろうし。
それに祐が疲れていそうだったから、いつこの事を話せばいいか迷っちゃって……」


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