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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ
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尻を打ちつけてから顔を上げた時、ふと目に入ったのは飾っていた白い桔梗。
置いていた棚に四つん這いで向かって行き、花びらにそっと触れた。
「なんで……」
水切りもしていたし、花瓶の中の水も毎日変えていたのに……。
ついこの前まで元気に咲いていたけど、寒さでやられてしまったのか真っ白い花びらがすべて萎れてしまっている。
今までいろんな場面で勇気をくれてきたから枯れそうになっている姿を見るのがとても悲しく思えた。
そう思えるのはこの花が好きだからというのもあるけど、天使のような笑みを浮かべた女性に白い桔梗の花束を渡された思い出が強く記憶に残っているからだ。
白い桔梗をくれたあの幸せそうなカップルは今どこで何をしているんだろう……。
旦那さんしか挨拶に来なかったとお婆ちゃんから聞いていたけど、関わりはないからそれ以上の情報は今後知ることはないと思う。
でも、この萎れてしまった白い桔梗を見て「最後でいいので私に幸せな力を与えてください」っと願って部屋から出た。
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