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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ



その言葉が聞こえてきた方へ視線を向ける。


視線の先は目の前ではなく、左隣の席の方だった。


どうやら隣に座っていたカップルも結婚の話をしたかったようだ。


「はっ、はい。喜んで」


婚約指輪が入った化粧箱をパカッと差し出した男性を前に女性が目を潤ませながら返事をする。


そのプロポーズが店員や他の客にも聞こえていたのか店内で拍手が巻き起こった。

周りの人たちにつられて私と祐も手を叩いて祝福する。


「すげー!おめでたいな。他人のプロポーズを予想するなんて小春はすごい!」


「あはは……。ありがとう……」


そうじゃない。結婚の話を持ち出したかっただけだ。


このタイミングにすぐ近くで他人のプロポーズイベントが起こるとは予想外だった。



どうしよう……。


逆に話を切り出せなくなった。


この流れで「私も結婚したい」なんて空気が読めてないようで言えない。


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