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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ



そのタイミングがやって来たと思うと、太股の上にのせていた握りこぶしに少しだけ汗が滲んできた。


ドキドキドキっと鼓動が早くなり、この場にいる実感もなくなるほど一杯一杯になってくる。


でも白い桔梗から勇気をもらってきたんだ。

ここで引くわけにはいかない。



「祐……。今日はね、転勤する前にどうしても話しておきたかったことを話そうと思っていたの。だから聞いてくれる?」


対面に座っている祐にそう言うと、綺麗な夜景の方を向いていた顔を私の方へ戻してくれた。


緊張しているのがバレていないのか、いつもと何ら変わりない表情を見せてくる。


「マジか……」


「うっ、うん。ずっと話したかったことだよ」


「ちょうどオレも小春に話したいことがあったんだよなー。転勤する前に言っておきたいなって思ってたことを……」


「何それ……」


もう祐が私に話したいことなんてないと思っていたから温まっていた心がヒヤリとする。


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