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永遠の愛を奪って
第22章 プロポーズ
やっと伝えられた逆プロポーズの言葉。これだけは考えついていた。
先にプロポーズをされたから今更という感じもあるけれど、ずっと言いたかったことを伝えることができて幸せに思えた。
「はははっ。オレと小春は同じことを考えながら過ごしていたんだな」
「そうだね。祐が結婚のことを考えてくれているなんて思ってもいなかったからびっくりだよ」
「考えるだろ。この先も小春と一緒にいたいって思っているんだから」
髪に触れてから顔を近づけるように促されて私たちは唇を重ねた。
観覧車の目玉でもある一番高い位置を過ぎてしまい、乗っていられる時間もあと僅かだというのに、夜景やイルミネーションよりも正面にいる婚約者に夢中になっている。
それは祐も同じようで私のことを真っ直ぐに見つめてはキスを繰り返してくる。
唇を重ねている間も祐からもらった白い桔梗の花束を大切に握っていた。
花束の優しい香りに包まれてするキスは、不安で曇っていた未来を一気に春の温かみのある澄んだ空へと変えてくれた。
「本当に……、本当に……、私でいいんだよね……?」