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乳房星(たらちねぼし)・再々修正版
第1章 プロローグ~星の砂
「そうね…あなたがそのように言うのであれば…ここにいても仕方がないわね…おかあさんも想ったのだけど、この近辺にはあなたのことを愛してくださるメスのあひるさんは一匹もいないみたいだし…よそへ行った方がよかったみたいね…」

おかあさんあひるの言葉に対して、みにくいあひるの子はあきらめ顔でおかあさんあひるに言いました。

「うん…そうする…おかあさん…さよなら…」

みにくいあひるの子は、おかあさんにこう言うたあと背中を向けて暮らしていた家から出ていってしまったのでありました。

ぼくのことを愛してくださる…

メスのあひるさんなんかいないのだ…

どこを探してもいないのだ…

ぼくがほしいメスのあひるさんなんか…

みつかるわけなんかないのだ…

ぼくの身体がどす黒いこと自体が…

全部悪いのだよ…
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