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Seven
第1章 第一印象は笑顔
「はじめまして。西宮(にしみや)といいます。よろしくお願いします!」
今日から転職先の保険会社で新入社員としての新たな一歩を踏み出した。前職も同系統だったが対人関係がうまくいかず、辞めることにした。
今回入社した保険会社は周囲にある保険会社の中でも待遇がいいと評判で、面接を受けてもなかなか採用してもらえないと聞いていた。今思うと、自分でも無謀だったと思う。自分にスキルがあるわけでもないのに、言わば裸一貫で戦に行くようなもの。面接を受けた時の私はどうかしていた。今の会社から抜け出せるならなんだっていい、それしか念頭になかった。
しかし、結果は採用された。前の会社も潔く退社することができた。これは、何かの【運命】なのかもしれない。
部署によって、男女比率は違うかもしれないが、私の配属された部署では男性社員のほうが多かった。
挨拶が終わると、私の面接を担当してくれた杉野(すぎの)さんに呼ばれた。彼は面接でも言っていたが、この部署の専務。主に、社員たちの取りまとめ役をしている。歳は四十代後半くらいだろうか。営業マンらしく、髪をオールバックにし、ビシッとしたスーツ姿の長身男性だ。