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Seven
第1章 第一印象は笑顔

「西宮くん。面接でも話したが、うちの部署は二人一組で営業に当たっている。そこで、君は彼と組んでもらうことにした」


 しかし、杉野さんの言う彼の姿が見当たらない。どこだろうとオフィス内を見渡していると、一人の男性社員が近づいてきた。私と同年代ほどの見た目をしている彼だが落ち着いた雰囲気を纏い、育ちの良さが全身から滲み出ている。スッキリした黒髪のショートモヒカンが似合う男性だ。


「杉田さん。陣川(じんかわ)さんなら、まだ出社してませんよ」
「なに!? またか……ったく、アイツには困ったもんだ」
「今日は『医者に行ってから来る』って連絡ありました」
「なんで、いつも小林(こばやし)に連絡して、会社には連絡寄越さないんだ!?」
「さぁ? 俺に言われても陣川さん本人じゃないので分からないです」


 「小林……」奥歯をギリッと噛み締め、杉野さんは言葉の代わりに深いため息をついた。「営業行ってきます」小林さんは気にした様子もなく、営業へと出掛けていった。


「……個性の強い奴が多くて困るよ」


 杉野さんのぼやきにどう返せばいいのか分からず、苦笑いしか返すことができなかった。


「とりあえず、陣川くんが来るまで席に座って待っててくれ」
「わかりました」


 案内された自分の席に座り、やることもないまま、陣川さんが来るのをひたすら待った。
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