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Seven
第3章 青春カムバック
「営業行くぞ!」
「はい、陣川さん!」
少しずつではあるが、仕事の流れが掴めてきた。とは言え、まだ新人の域を越えたわけじゃない。もっと仕事のできる人になりたい。例えば、今 私の隣で営業車を運転している陣川さんみたいに。
「なんだよ。さっきから俺に熱い視線を送ったりして」
「お、送ってないです!」
「ふーん。──西宮さんはさ、どういう人がタイプ?」
急に振られた好みについての質問。どう答えたらいいか難しい。その時、その時で私は好きになるタイプが違う。元彼は同い年で【誠実】を絵に描いたような人物だった。その前の彼は二歳年下の甘えたな【弟】タイプ。容姿も年齢も、皆バラバラ。片思いはあるけれど、年上の男性とは付き合ったことがない。陣川さんのような遊び人タイプの人と出会ったのも初めて。
「もしかして、【好きになった人がタイプです】とか言っちゃうパターン?」
「そう、なるかもしれません……。こういう人が好き!っていうのがなくて……」
「なるほどねー」
「陣川さんは好みのタイプあるんですか?」
「あるよ」即答よりも速く答えが返ってきた。真面目な表情で彼は続ける。
「胸が大きい子がいいね。それも、触り心地が柔らかいのがいい」
「そっち!?」と心の声が表に出そうになった。髪形や顔などの容姿を想定していたのに……。ということは、彼が一番最初に見る場所は──【胸】!?