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咲の旅物語
第11章 世界旅行の目的
中に入ると、4畳ほどの部屋の真ん中に木の蔓で出来た台座があり、その上に結界で護られた羅針盤らしきものが置かれていた。

咲は神の知識で検索してみた。

【哀愁の羅針盤】
遥か昔。
聖獣を従えた神の使いが、世界の闇を晴らすため持ち込んだもの。
闇のある場所を示す。

――――――――――

狙いが分かった。
咲はディラと顔を見合わせた。
ミケたちの願いがラファエルと同じだったことにクスッと微笑み、二人に顔を向け極上の笑顔で言う。

「私たちは始めから、世界中を旅する予定だったの。それで禍神の事を知った。その時から旅の目的は決まっているよ。」

二人は自分達が言いたいことがすでに分かっている事に目を丸くしたが、諦めたように小さく息を吐いた。

「流石は咲とディラ様。では、此を貰ってくれるでしね?」

そう言いながら、ミケは結界を指で弾く。

パリン

高い割れる音がして、結界が消えた。

ミヤがソッと羅針盤を持ち上げると咲へ手渡す。
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