この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
咲の旅物語
第11章 世界旅行の目的
「危険な旅になりそうなの。だから…」
「お姉ちゃん、わたしお姉ちゃんと行く。」
咲の言葉を遮って、ティナが真剣な声をだした。
「ティナ、里へ戻れ。俺が行く。」
ダイゴは慌ててティナを止める。大切な唯一の家族で妹で。
ダイゴの気持ちを察したのか、一度目を伏せると
「お兄ちゃん。わたし、もう待ってるだけは嫌なの。知らない所でお兄ちゃんが居なくなったりしたら…」
ダイゴ達の両親は、小さい子供達を残し里の外で狩りの最中に魔物に襲われて亡くなった。
そのティナの気持ちが分かり、ダイゴも俯く。
「わかった。ティナちゃんは私達が守るよ。」
咲の言葉にディラも頷く。
「わたしも居るわよ。」
ヘラがダイゴの背中に手を置く。驚いたようにダイゴが顔をあげる。
「わたしは始めから行くつもりよ。ティナちゃんは妹の様なものだもの」
ニッコリ微笑む。
「本物の姉妹になりそうね。」
ニヤニヤしながら咲が言うと、二人は真っ赤になった。