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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
ワラワラといた魚人達は、持ち場に戻っていった。
そう、洞窟の壁に…。
魚人を詳しく知っている、ディラは不思議に思っていた。
魚人たちの集落に繋がるこの空間。
ここは不可視の魔法がかけられていて、本来なら偶然でも見つけられない筈だ。
その魔力すら隠されているため、ディラ達も見つけられる筈はないのだが、一本道と言える程まっすぐここにたどり着いた。
その疑問をアローナにぶつけてみようとしたとき、一行は集落に到着した。
集落は天井がポッカリ空いたその下に広い泉があり、その周りに隆起した岩が沢山ある。
それに穴が空いていて、そこが魚人たちの住居のようだ。
アローナは、泉の前に行くと膝をつき俯く。
「ピギョ様。客人をお招きしました。」
そういうと、泉の水が盛り上がり何かが出てきた。
「アローナ。ご苦労。で、客人とは?」
出てきたのは、美しい女性の頭だった。
切れ長の目に長いだろう水色の髪、白い肌に桜色の唇。