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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城
だが、その姿は強烈だった。
肩口まで出た彼女は、泉を覆い尽くさんばかりに巨大だったのだ。
咲は、呆然としていた。
異世界に来たことを改めて実感したのだ。
「大きくなったな…ピギョ」
ディラは、聖獣の姿のままその女性に声をかける。
「あ…あ…まさか…ディラ様…?」
ディラを見た途端、涙を浮かべ喘ぐように顔をぐしゃぐしゃにした。
「ちょっまっ泣かないで下さい!!」
そのピギョの表情をみたアローナが慌てるが、遅かった。
ピギョが涙を流した瞬間、激しく水流が集落を襲った。
渦をまき、魚人たちを押し流してしまう。
「うわっ」
咲も突然の事で対処できず、集落の入口の壁に吹き飛ばされた。