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咲の旅物語
第13章 滝壺の竜宮城

ディラはその中で、人化して泣いているピギョの頭まで浮遊した。

そして、優しい目をして頭をぽんぽんと撫でる。

「久しぶりだな。どうした、ピギョよ?」

ピギョは泣き止むと、少し愚図りながらディラを見る。

ピギョが泣き止んだところで、水流は止み、水が引いて元の集落に戻った。

魚人達は吹き飛ばされたが、なにも崩壊せず元の姿に戻っていることからピギョが頻繁に泣いているのがわかる。

「魔力が不安定だな…。何があった?」

優しくピギョに語りかけると、泉の畔に降りてきた。

咲は、何とか立ち上がり、フラフラしながらもディラの横にいく。

「不可視が効いていない。それも魔力が不安定なせいか?」

僅かに真剣な表情を浮かべ、ピギョを見る。

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