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咲の旅物語
第14章 死の洞窟
ジャルムの話を聞いて、咲は不思議に思った。
ジャルムの出で立ちは、数日でなるようなものではないほど、ボロボロで髭も髪も数年が経っているかのようだ。
元々の長さだと言われれば、そこまでだが、ジャルムは短髪で髭も伸ばしてはいなかったという。
何より、騎士の証明である甲冑もないし、剣も歯零れが著しい。
「どうおもう?」
咲は、顎に手を当てて考えこんでいるディラを見た。
「サッパリだ。」
ですよねー
「行って見るしかないか…。他の騎士団の人も気になるし。」
「だな。そんなものが居るなど、聞いたこともない。」
ガイルもダイゴも咲の言葉に頷く。
「ちょっ!危険です。女性がそんなところに行くなんて!無謀です!」
ジャルムは慌てて止める。
だが、ガイルがニヤリと笑いジャルムの肩を叩く。
「彼女たちを舐めてはいかん。我らより強いぞ。」
「は?まさか」
「本当だ…」
ガイルの言葉では信じていなかったが、ダイゴの切実な同意で何かを感じたのかジャルムは黙ってしまった。