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咲の旅物語
第6章 湖村 ミノー
ティナは涙目になりながら、咲にしがみつく。

「里に行かないと、分かんない。」

困ったように眉を下げ、ティナの頭を撫でる。

「そうだな。もしかしたら礼拝式で神が降臨されれば、原因が解るかもしれん。」

「え?タチバナ来るの?」

咲がディラの言葉で顔を上げた。

「本物であれば、な。」

咲はちょっと、嬉しそうである。

「決まりね。明日、タチ…神に会ってみよう。2人はここに泊まればいいよ。里までは結構かかるの?」

「いいのか?ありがとう。里へは馬車で1週間ほどだ。」

「そっか。んじゃ、まだ日があるうちにヘロロの種を取ってくる。」

ぱぱっと行ってくるから。

と咲は転移して行った。

「お、おい。グリーンダスの森か?大丈夫なのか?」

残されたディラに問い詰める。
「問題ない。
それより、病だが神に会えない場合、我等が里へ行ってみようと思うが…それは大丈夫なのか?」

獣人の里は、人間などから身を守るため人が入るのを拒むという。

「それは、俺たちがいれば問題ないが、お前たちが治すのか?」

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