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咲の旅物語
第8章 獣人の里 ピッケ
「貴様!何を言っている?」
「禍神だと?貴様が禍神じゃないのか?!」
「そうだ、そうだ。さっきの攻撃で里の殆どが倒れたのだぞ!」
口々に攻め立てる。
「だから!!里の原因不明の病は、禍神の影響だったの!倒れたのは魔力に宛てられたからで、気付ければ皆目を覚ますから!」
ダイゴはそれでも信じない仲間に痺れを切らし、ミノーでの出来事をかいつまんで説明した。
「まさか、そんな…ことが…」
「おい、武器を下げろ。」
隊長らしき人が出てきて真剣な眼差しを咲に向けると深々と頭を下げた。
「寧ろ里を救ってくれた方々に無礼をすまない。ありがとう」
「隊長…」
隊長の姿を見た、他の獣人達も一斉に頭を下げる。
「「「す、すまなかった」」」
ダイゴは分かってくれた仲間にホッとし、咲は逆に申し訳なく思って顔の前で手をふる。
「いやいやいや、ダイゴ達に迷惑掛けちゃったしお礼だよ~」
そう言いながらディラの後ろに隠れる。