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咲の旅物語
第8章 獣人の里 ピッケ

連れて行かれた場所は、意外にも最初に通った洞窟だった。

一見何もない岩壁に見える場所でミケ達が立ち止まる。

壁に向かって何かを唱えると、壁がフッと消える。

ミケたちについて入ると、洞窟の中とは思えないほど美しい白を基調とした講堂で正面にはドラゴンの像が左右にあり、真ん中に神を象った像が立っていた。

その全てが透き通った白で、所々が蒼く見える程だ。

「なんて、幻想的な…」

ヘラの感嘆が漏れる。

「ちょっ、ディラ。ここ本物!」

「心地いい…」

咲とディラは神聖な空気に深呼吸を始めた。

その様子をみて、ダイゴのテンションが上がる。

「良かった!禍神の影響はなかった」

思わず、ミヤが呟く。

彼女たちも、先祖から引き継ぎ信じて参拝していたが禍神の話を聞き不安に思っていたようだ。

そんな話をしていると、咲の額が淡く光だした。

「咲、額が…」

「へ?」

そう言ったとき、額の光が羽の形になって強く光だした。

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