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大人遊び
第19章 choice A ー届かないー side 啓介
ハァー・・・。

車を路肩に止めてハンドルに突っ伏し、盛大なため息をつく。


・・・何やってんだ俺。



正直言うと、女の子でこんなに苦戦した事はなかった。

親父譲りの高い背、そこそこ整った顔。

二人の姉に、服がダサいだ、髪型が変だ、女の子の扱い方はこーだ、あーだと、うるさく言われながら育ったせいか、中学に上がった頃には普通にしていれば、放っておいてもあっちから寄ってきた。

だから、はじめてなんだ。
こんな必死に追いかけて捕まえたいのは。

おいしいものを食べた時の幸せそうな顔、意外と怒りっぽいとこ、少し照れたように綻んだ笑顔、俺の隣で色んな表情を見せる彼女が可愛くて、嬉しくて・・・帰したくなかった。

ねぇ、今日のデートが特別なのは、俺だけなの?

少しでも可能性はないか、思い切って彼氏の話を切り出してみたら、とたんに顔赤く染めて俯く彼女。

彼女にとっては、ただ同僚と出掛けただけ、そんな事、聞く前からわかってたはずなのに、いざ他の男を想って頬を染める彼女を見ると勝手な嫉妬心が沸き上がった。
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