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第20章 Choice B 引っ越し

「歩き回って疲れたね～。」

「だなー。風呂入るか。」

「そうだね、溜めてくるよ。」

「あー、いい、いい、今日は俺やる。文は自分の荷物片づけなよ。家事して貰う為に一緒に住むわけじゃない、一緒にいてくれればいいんだ。」

甘やかされ過ぎて、溶けてしまいそうだ。

「ありがとう・・・じゃぁ今日はお言葉に甘えて。」

彼の寝室のクローゼットに私の荷物を仕舞っていく・・・なんだか不思議な気持ち。

帰り掛けに彼は、行きたい店があると言って、私の馴染みのコーヒー店に立ち寄って、コーヒー豆を買ってくれた。

荷物に入りきらないソレを置いてきたのに気付いてた事にもだけど、そもそも私のお気に入りを覚えていてくれた事に驚いた。

こんなに大切にされてたんだ。彼の気持ちが丁寧に自分に向けられているのが伝わった。

・・・新しい生活は、きっと大丈夫。私もきちんと彼に応えていきたいな。彼への想いとあの日への罪悪感が交錯しながら、クローゼットの扉を閉めた。

「あやー、終わった？お風呂沸いたよ。」

「うん！ありがとう、お先どうぞ？」

「一緒に入るだろ？」

あー///またその笑顔、本当反則だよ。
ドキドキの新生活の始まりだ。