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大人遊び
第22章 choice A 揺れる
「ごめん、水かビールくらいしかない。」

「大丈夫、ありがとう。」

向かい合ったまま、なかなか本題を切り出す事が出来ない。

「・・・プロポーズの事なんだけど、私、悠くんと結婚出来ない。ごめんなさい・・・悠くん以外の人とエッチした。」

「・・・いつ?」

「・・・先週。」

「なんでそんな事したの?」

「ごめんなさい。」

「謝って欲しいわけじゃない、なんでだよ。」

「うまく説明できない・・・不安だったの。本当にごめんなさい。」

悠くんが小さく息をつく。

「・・・初めて?」

彼の問いにコクンと頷く。

「・・・信じられないだろうけど。プロポーズされたばっかで、謝って許される事じゃないってわかってる。」

「文は・・・どうしたいの?」

「本当に最低なんだけど、その人が、今気になってる。・・・こんな気持ちのまま悠くんといれない。」

「・・・何の人なの?」

「・・・たまたまその日、知り合った人。」

「何だよそれ、お前そんなことするタイプじゃないのに何そんな危ないことしてんだよ。そんなよく分からないやつ止めろよ。てか・・・俺から離れようとしないでよ。」

彼に強く抱き締められる。

「結婚断られるだろうなとは予想してたけど別れるって・・・無理だよ。俺のとこに戻ってきて。頼むから。」

泣いちゃダメ、泣いちゃダメって思ってたけど、堪えてた涙がポタポタと溢れてしまう。

「悠くんの事が本当に大好きだったの・・・でも、もうわからなくなっちゃった。ずっと自信がなかった、私は誰の代わりなのって?だからって・・・絶対しちゃいけないことしちゃって。もう一緒にはいられない、本当にごめんなさい。」

「文・・・そんなこと言うなって。俺は文が好きなんだ。」

「・・・遅いよ、もっと・・・もっと早く聞きたかった。私、何回も悠くんが好きだって伝えたよ?」
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