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大人遊び
第22章 choice A 揺れる
自分の気持ちばっかり大きくなっていくのが怖くて、好きな気持ちを抑えて、そっと鍵を掛けて閉じ込めた。

そうやっているうちに、大好きだった悠くんへの気持ち迄、見失ってしまったんだ。

悠くんの事は今も好き、だけど、純粋に好きで好きで堪らなかったあの頃とは違う。啓介さんと出会って、自分でも気付かないうちに変ってしまっていた自分の気持ちに気付かされた。

「文。」

改札の前には、私を待つ悠くんの姿があった。

「悠くん!どうしたの?」

「どうしたのって迎えに来たんだよ。泊まってくだろ?家、冷蔵庫空っぽだから何か食べるもの買ってく?」

「泊まっていけない・・・話して帰る。」

いざ優しい彼を目の前にすると、決心が鈍る。

「・・・あんま良い話じゃなさそうだね。そんな顔すんなよ(笑)大丈夫だから、おいで。とりあえず、家行こ。」

当たり前のように繋がれる手、私に真っ直ぐ向けられる優しい目・・・ずっと求めてたものが確かに今そこにあるのに、どうして私は変わってしまったんだろう。

じわっと涙が出てきそうなのを必死で堪えた。
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