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大人遊び
第28章 choice A 遭遇
昨夜から私はそわそわしている。
ネイルを塗り直して、スキンケアも念入りにして、今朝もいつもより早く起きた。

迷いに迷って決めた服を身に纏って、お気に入りのアクセサリーをつける。
メイクも髪も普段より時間を掛けて・・・そう今日は約束の金曜日だ。

女の子ってデートに向けた準備の気合の入り方で、好きのバロメーターがわかる。
啓介さんと会う事がいつの間にか、自分にとってこんなに楽しみな予定になっている事に驚いた。それくらい自然に、だけど真っ直ぐに啓介さんは私の中に入ってきた。


連絡をとったのはあの夜の電話が最後。連絡しようかなとも思ったけど、

「・・・別れるのはわかった。でも、俺行くまでにもう一回文に惚れてもらえるように頑張るから、チャンスくれない?」

あの日の悠くんとの遣り取りを思い出してためらってしまった。

一昨日、悠くんからきた会いたいというメールには返事を出来ずにいる。曖昧な状態と罪悪感の中でどうしたら良いのか悩んでいた。

色んな想いを巡らせながら、最後のグロスを塗り終わった時、携帯が震えた。

(おはよ、今日会えるの楽しみにしてるよ。)

短い一文、だけど、こういうとこなんだと思う。私を惹きつける甘い囁き。
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