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当機は偶然により、運命を変更致しました
第1章 到着地の状況は最悪
「お忙しいところ、すいませんっ!
今、聞いてなかったんです。
これ、宮崎行かないんですか?!」
「現在、宮崎空港上空に濃霧が発生しておりまして、
着陸が困難な状況になっております」
CAさんは迷惑そうな様子も見せずに、流れる様に説明してくれた。
「出発の際には予測出来なかった天候の急変で……
地上と連絡を取って、対応を検討しております」
「今日、誕生日なんです!宮崎着きたいんです!」
あー。
言ってもしょうがない事なのに、言ってしまった。
CAさんだって、困るよね?
これじゃ、クレーマーだよ。
だけど、CAさんは、困ったりムカついたりしないで、答えてくれた。
「お客様にはご心配をお掛けして、申し訳御座いません。安全の為、万全を期しております。お急ぎとは存じますが、今しばらくお待ち下さい」
「……はい……」
私は、座席にがっくり沈んだ。
こんな事なら、来るんじゃ無かった。
やっぱり、うまくいかないの?
こういう運命なの?
頭の中が、ぐるぐる回る。
「あのー?」
「はいっ?」
しゅんとしてたら。
隣の席の人に、話し掛けられた。