この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わがままな氷上の貴公子
第3章 心配

医務室ではマスクを外したから、さすがにオレだとバレた。そのせいで、骨折かと思うくらいに包帯で固定されるハメに。
そんな中、何故かオレと千絵はサインを残して帰ってきた。
あんなリンクに、二人で行ったと思われるじゃないかっ!
もしもフィギュアスケーター同士のデートなら、スケート場なんて選ばないだろう。年中リンクにいるんだから。
それにこんなに固定されたら、足首が固まるんだよっ!
軽い捻挫なら、普通に生活した方がいい。それも、経験から分かっている。
「潤くんに潰されて、軽い捻挫で済んだんだから。ラッキーだと思わなくちゃねー」
千絵はもう落ち着いて、笑ってやがる。
でも、そうかもしれない。医者も同じようなことを匂わせていたし。
「悠ちゃん。毎日お見舞いに来るからね」
潤が言った時、ノックの音。お盆を持った和子さんが入ってきた。
お茶の時間が始まると、和子さんも加わった女性陣は、話に花が咲く。
時々潤を慰めているが、痛い思いをしたのはオレなんだぞ!?
オレは、謝りながら紅茶のカップを渡す潤に溜息をついた。

