この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
エロ小説を100冊読んでみた
第34章 My妹

さてさて、時代背景などの考察はそれぐらいにしまして内容のほうへ。
驚いたのはまず、前回読んだ『いもうと。―SWEET&BITTER』からガラリと雰囲気が変わっていること。
もう80年代の富士見美少女文庫を思い出すことはない。
あの、ちょっと胸を締め付けられる、瑞々しくも切ない少女小説っぽい空気感は影を潜め、エロくて楽しい――そう「エロラノベ」と呼ぶ以外にないノリ。
完全に今のエロラノベとして読める。違和感まったくなし。10年以上前の作品なのに!
つまり、当時としての最先端に到達したんだということなんだろうと思います。
今に通じるスタイルとでも言うべき何かが確立されている。
ただ、わかつきひかる先生はやっぱり「ジュブナイルポルノ」の女王なんですよね。
「エロラノベ」のスタイルに寄せて、もしかするとそのスタイル自体を確立したのは先生ご自身なのかもしれないですが、それでもジュブナイル小説を根っこに残していると思う。

