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エロ小説を100冊読んでみた
第43章 FTB! ~ふたなりちんぽタッグバトル~
文体で特徴的なのは、というか気になったのは、「連用中止文末」とでも言うんですかね? 動詞の活用を「~て」の形で止めて文を終わらせる形式。それが多用されます。
「連用中止」というのは、通常、前の文と後ろの文を繋ぐときに使う物。
彼はアイスクリームを食べて、それから床屋に行った。
というときの「食べて」で句点を入れる書き方が「連用中止」(だったと思う)なのですが、それで文を終わらせる。
彼はアイスクリームを食べて。
こういう形の文がちょこちょこちょこちょこ出て来て、これはもう作者特有の文体なのだなと。
特徴というより「気になった」と感じてしまったのは、これがどういう効果を狙ったのものなのかがよくわからないためでした。
「連用中止で文を締める」ということ自体は文法的に間違いでもなんでもなく、ただのテクニックだと思います。
じゃあなんのテクニックかというと、個人的にはそもそも「連用中止」は前と後ろの文をつなぐ働きがあり、それが途中で終わるわけですから「後ろの文を省略する」ということですね。
省略することで何が起きるかと言うと、本来どんな文がその後ろに続いていたのかを読者に想像させる働きが生まれるわけです。
でも、下山田先生の場合、特段、後ろの文を想像させるためにこの形にしているようにも思えない。
彼はアイスクリームを食べた。
って書いたらアカンのそこ!? みたいな所でも頻繁に連用中止で終わる。
作家固有の文体という個性を作り出してはいるのだけれど、個人的には気になってしまって毎回「連用中止」の所で物語世界から引き戻されるのが辛みでした。
これは個人の感性に寄る所だと思いますから、気にならん人は気になんないと思いますけど。