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第7章 村の宝

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「──…っ!! エバっこいつに何いいやがった!?」

エバは慌てて厨房の奥に逃げ込み、ザドルはバツの悪そうな顔をしている
アルはそんなのお構いなしに、ザドルに手を伸ばした


「!?‥」


「‥自己紹介がまだだったから。 ﾃﾞｨｱﾉﾙ・J・ﾊﾞｰﾄﾝ‥アルでいいよ。短い間だけどよろしく！」


そんなアルにザドルもふっと微笑み手を出した

「俺はｻﾞﾄﾞﾙ・ｽﾀﾝﾚｰ…
この大会の常連だ。わからないことがあったらなんでも聞いてくれ！」

ザドルと握手を交わし、アルはザドルに小さくしゃがむようにお願いした

「なんだ？ただしゃがめばいいのか？」

頷くとアルは少し腰を屈める

「ん？……おっ？………おっ!?」

驚いたザドルの顔がｶｧーーと熱くなっていった。


アルはザドルに敬愛を示す挨拶をしたのだが、ザドルはこの手の挨拶には慣れておらず赤面のまま硬直してしまった


「ありがとう‥ザドル」


アルはザドルにお礼を言うとエバから袋を受け取り
パンを詰め始めた。


「アル！」


「ん、‥何？ エバ‥」




「夕食は“みんなで”
食べようじゃないか……


ちゃんと連れておいで‥」


エバはそう言うと優しい微笑みを返した。