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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第2章 変なおじさん
…この人やさしい‥
なんだかお父さんみたい。
「…ありがとう」
自然とその言葉が口から溢れ、同時にさっきまで自分はこの人に剣を向けようとしていたことを思いだし、少年はとてもいたたまれない気持ちになった。
ヤラナケレバ ヤラレル
判断を間違えば守りたいものも守れない。
ここ何年かで失ったものは数え切れないほどになっていた…
「なんでそんな顔をする?」
「っえ?」
少年の瞳に暗い影が宿る‥ルイスはそれがずっと気にかかっていた。
「さっきも感じたけど…
君くらいの子供が出せる表情じゃない――
何を背負ってる‥?」
―――‥!
「‥‥‥
‥わからない…」
ボソリと呟く‥
少年はほんとにわからなかった…
ただ、ここ数年の間にいろんな事が起こりすぎて…
そして 胸の中に湧き上がる感情……脈打つ鼓動………
明らかに自分ではない…
体の中の‘なにか’が、日増しに力を増していくのを……
…少年は感じるだけで精一杯なのだ‥‥‥